公開:2025.07.09 11:00 | 更新: 2025.07.08 04:59
近年、インターネット上でのやり取りが増加する中、サイバー攻撃や不正行為の兆候がSNSや公開情報から見つかるケースが増えています。
こうした兆候を検知する取り組みは、サイバー犯罪の防止やセキュリティ対策に大いに役立ちます。
しかし、SNSや公開情報には膨大な量の投稿が存在するため、それらを漠然と検索するだけでは時間がかかる上に、見落としやノイズ(無関係な投稿)が多く、効率的とは言えません。
そこで、効率的に調査を行う手法として注目されているのがOSINT調査です。
さらに調査の自動化により、SNSやニュース、ブログなどを定期的に「モニタリング(巡回)」するワークフローを整備することで、より効率的な情報収集が可能になります。
本記事では、筆者が個人で行っている「警察サイバーパトロール・サポーター」の活動を通じて得られた経験をもとに、OSINT調査による「SNSや公開情報を自動で巡回・チェックする方法」について解説します。
※OSINT調査については、過去のブログにて解説していますので割愛します。
参照ブログ
・Google Dorksを活用したOSINT調査
・OSINT情報の活用について
OSINT調査ツール3選
1. Google Alerts
2.Talkwalker Alerts
3.Social Searcher
今回紹介するツールは、GUIが分かりやすく非エンジニアでも比較的扱いやすい無料ツールになっています。アカウントの登録が必要なツールもありますが、無料プランでも十分に活用可能です。
※以下引用の画像等、本記事内容に関する出典・参考:
Google アラート - ウェブ上の面白い新着コンテンツをチェック
指定したキーワードに関する新しい情報がウェブ上に公開されたときに、メールまたはRSSで通知してくれる無料のサービスです。
※Googleアカウントが必要となります。
1.Google Alerts (https://www.google.co.jp/alerts)にアクセスします。
2.検索窓にキーワードや演算子を入力します。
検索では過去のブログで紹介しましたGoogle Dorksのキーワードや演算子が利用可能です。
※Google Dorksを活用したOSINT調査(https://www.secure-iv.co.jp/blog/7631)
以下の例のように入力することで、指定日以降に外部サイトに引用されたX(旧Twitter)投稿なども検出可能です。
例:site:twitter.com intext:"沖縄"+"セキュリティ" after:2025-06-01
3.「オプションを表示」で頻度(リアルタイム/日次まとめなど)、ソース(ニュース、ブログ、Web など)、言語、地域等も設定可能です。
通知結果をRSSにすることでRSSリーダーやSlackに転送することも可能。
Google AlertsはGoogleアカウントがあれば、すぐにでも利用できる点が魅力的です。
※以下の画像等、本記事内容に関する出典・参考:
talkwalker.com Googleアラートの代用に。Twitterに強い無料アラートサービス。
Google Alertsと同様にWeb・SNS上の言及をメールやRSSで通知可能なツールとなっています。
Google Alertsの代替サービスといわれているツールですが、Google Alertsとの違いは以下になります。
※利用する際はTalkwalkerのアカウント登録が必要になります。
1.Talkwalker Alerts(https://www.talkwalker.com/ja/alerts) にアクセスします。
2.「今すぐ試す」をクリックします。
3.検索クエリ、監視キーワードや言語、頻度などを設定します。
検索クエリには以下の構文が利用できますので、除外ワード追加、キーワード組み合わせを工夫して検索内容の精度を向上させることが可能です。
https://www.talkwalker.com/syntax-alerts
4.Create Alertでアラートの設定が完了です。
設定画面の「YOUR EMAIL」欄で入力したメールアドレスでアカウントの登録が必要になります。
個人的な印象ですがTalkwalker Alertsの方が、Google AlertsよりSNSの投稿を拾いやすい傾向にあります。Talkwalkerのアカウント登録が必要になるため、利用の際、躊躇する方もいるかもしれません。
※以下の画像等、本記事内容に関する出典・参考:
Social Searcher - Free Social Media Search Engine
複数のSNS(Facebook、Instagram、YouTube 等)の投稿をキーワード/ハッシュタグで検索できるWebサービスになります。
※利用する際はSocial Searcherのアカウント登録が必要です。
1.Social Searcher(https://www.social-searcher.com/)にアクセスします。
2.検索窓にキーワードやハッシュタグを入力します。
例:「#沖縄」「#セキュリティ」など。
3.設定により言語、検索プラットフォームなどを絞り込めます。
4.検索実行後、結果をすぐに確認できます。
Social Searcherは無料プランだと自動検索は週1回です。(有料プランですとメール通知もあるようです。)
無料内の機能でも幅広いプラットフォームから検索するのでかなり利用できると感じました。
また統計情報も閲覧およびCSVダウンロード可能ですので、いろいろな用途に応じた調査が可能になっています。
今回は、警察サイバーパトロール・サポーターとしての活動から得られた巡回手法について紹介しました。
この手法は、AIやサイバーセキュリティのように日々進化する分野や、自社製品に関する競合情報の定期的な収集にも活用できます。情報収集の一環としてお役にたてればと幸いです。
また、紹介した手法はSNSや公開情報の巡回になりますが、一般には公開されないダークウェブの調査を行いたいパターンもあるかと思います。
しかしながら、ダークウェブへのアクセスには専門知識と専用サービスが必要となります。利用の際は信頼できる専門部隊の活用をおすすめします。
※弊社では、ダークウェブを対象とした定期巡回サービスも展開しております。ダークウェブに関する調査をご希望の方は、ぜひご検討ください。(※以下リンクよりサービス詳細が確認できます)
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